高柄山
高柄山は東京からも近い上野原からの登頂が最も人気のあるルートである。この日はあまり時間がなかったので最短で登れるコース、四方津駅からのピストンで挑んだ。
暫く民家と、林道の単調なルートを辿っていくと、グラデーションのように自然と登山道へとたどり着く。
さて、登山開始だと意気込むと目の前には1人の男性が歩いていた。
この山では人にすれ違わないだろうな、と思う山ほど不思議と誰かとすれ違い「今日は誰とも会わないと思いました」という会話をするのは何故だろう。
穏やかに川が流れる登山道は、真夏の暑い日に来れば体を冷やすにはもってこいのスポットであり、静かな登山道に自然のBGMが加わり足取りが軽快になる。
そんなことを思いながらゆっくり登る時間もつかの間、気がつくとそこは急登続きの登山道へと変化していた。
ひたすら単調な登り坂を楽しむために、じっくり目を凝らして地面を観察し、周りの木々を見て歩いた。
地面には沢山のザトウムシが闊歩していた。ザトウムシは大きく分類するとサソリの仲間で何万年と姿を変えずに生息しているようだ。
やがて、倉岳山と高柄山をつなぐ稜線にたどり着いた。
この山塊の稜線は少し歩くとすぐに表情を変える印象が強い。
根が張り詰めていて歩きにくい道、急な坂かと思えば急激に下り、
「またここを登り返すのか・・・」と気が滅入ってしまうこともある。
最後の坂道を登りきると、山頂にたどり着いた。
生憎この日は曇り気味、富士山は望めなかった。
次回は上野原側から晴れた日に登ってみようかなと思い下山した。