山梨百名山日記

山梨百名山を無いボキャブラリーで精一杯伝えます。

雁ヶ腹摺山、笹子雁ヶ腹摺山

この日は笹子雁ヶ腹摺山と雁ヶ腹摺山の両方を登頂する計画を立てた。

長距離の山行に少し嫌気が差していた頃なので、短距離を二つは非常に

お得感があった。

はじめ、雁ヶ腹摺山を目指す。

林道を使用して登山口駐車場まで標高を稼げるこの山は、手軽さと

山頂の富士の眺望がコアな登山家から人気の山である。

この日も、平日にもかかわらず駐車場は各地から来たであろうナンバーの

車で埋め尽くされていた。

遅めの出発になってしまったがギリギリ車を留めることが出来、

曇りがちな空を見上げダラダラと標高を稼いでいった。

数名の登山者を追い抜きながら、静かな森林を歩いて行く。

この日熊鈴を忘れたため無駄に咳払いをしたり、枝で大木を叩いたりして、

熊が出ないことを願った。

山頂付近になると少し急な登りが増えた。

途中振り返ると今までの登山人生で一番の富士山を拝むことが出来た。

曇りがちで何も見えなかった富士山方向から、富士山を望む窓のように

雲が丸く開けた景色だ。

急いでカメラを取り出しシャッターを切った瞬間、

窓は閉じ富士は隠れてしまった。

その後熊笹の道を通り山頂にたどり着いた時には数名の登山者が富士山

がいつ見えるのか、まだかまだかとカメラを構えていた。

一瞬雲が晴れた瞬間はあったものの、あの富士山よりも綺麗な富士山を望

むことはなかった。

その後曇ってしまったので急いで駆け下りながら、すれ違う登山者に少し

自慢気にギリギリ富士山が見えた事を伝えた。

続いて笹子雁ヶ腹摺山を目指す。

細い林道を対向車が来ないことを祈りながら進んでいく。

登山口駐車場にはハイエースが一台駐車されていた。

途中で登山者とすれ違うのかもしれないという期待を持ちながら、

短いコースを進んでいくが結局人に出会うことがなく山頂についてしま

った。山頂からはさっきまで雲で隠れていた富士山は大きく顔を出し、

秀麗富嶽十二景にも選ばれているだけあって富士の眺望を独り占めする

ことができた。

笹子雁ヶ腹摺山もまた、熊に怯えながら足早に下山した。