山梨百名山日記

山梨百名山を無いボキャブラリーで精一杯伝えます。

高川山

この山は地元都留市の山の中でも富士山が一番綺麗に見渡せる山だ。

禾生駅の有料駐車場に車を停めて、登山道を目指す。

付近の桂高等学校に通っていたので、馴染み深い道を仲間と共に歩いて行く。今回は珍しく、一人の山行ではないので会話が弾む。

しばらく民家が点々としている林道を歩き登山道に入った。

低山ならではの豊かな緑のトンネルを暫く歩く。

鳥の鳴き声や植物にはあまり目もくれず大学の話や将来の話、

一緒に登る仲間と自然そっちのけでいろいろな会話を楽しんだ。

最後に少し急な登りを終えると山頂は360度開け、岩場になっていた。

山頂から見渡す富士山は裾野まではっきりと見え、流石同じ郡内から見渡せる富士山だという印象が強かった。

また国道139号線が富士山から伸びており、夜になると車の光が川が流れるかのように見える。

この景色を写真に収めるために夜高川山に登る登山者も少なくはない。

そんな知識を他の登山者から聞きながら山頂での休憩を楽しんだ。

下山は周回コースで急な下り坂を下ることにした。

急坂を下り終えると、ジグザグと落ち葉のトレイルを下る。

途中伸びすぎて不気味なシダの葉を見ながら、これが春先なら天ぷらにして食べられるのだろうか、と考えた。

登りよりも色々と考えたのは、お互い疲れて会話が減ったからだろう。

その後懐かしい下山道を再び歩き車へと戻った。

本社ヶ丸

大変めずらしい名前の山だが大月、特に笹子に面している山には~丸という名前が多い。これは、過去の日本と朝鮮の友好が関係しているらしい。

この日は本社ヶ丸の最短ルート、天下茶屋からのピストンで歩いた。

天下茶屋前のジグザグの登山道を歩くのは何度目だろう。

見慣れた景色を通りこし、いつもと反対の道を歩き新鮮な景色が始まった。

この山も秀麗富嶽十二景に選ばれていて、山頂から見る富士山が非常に楽しみで、足取りも軽かった。

御坂山塊の山は静かで自然が豊かという印象を更に濃くしてくれる山道をぐんぐんと進んでいく。

途中大きな岩場が見えてきた。ここからの景色は素晴らしく、下山後の予定も無かったのでゆっくりと景色を楽しんだ。

山頂以外でここまでゆっくりしたことは初めてで、体力も回復したので、

一気に山頂へと駆け上った。

山頂は勿論独り占めだった。風が強かったが秋晴れの澄み切った空気が

より一層富士山の景観を際立たせてくれた。

何度も自撮りや、パノラマ写真を撮り思う存分に満喫した。

今度は別のルートからの縦走もしたいな、そう思いながら下山した。

棚横手山

勝沼ぶどう郷駅から、林道を歩き棚横手山甲州高尾山を経て、

大日影トンネル遊歩道を歩き勝沼ぶどう郷駅に戻るルートを計画し当日に挑んだ。

一つ誤算が生じてしまった。大日影トンネル遊歩道が崩壊の恐れがあるために封鎖されてしまっていた。

この日は炎天下でもあり、涼しいトンネルの中を歩いて汗を引かせようという考えでいたが、残念だ。

気を取り直して登山にとりかかる。

と言っても最初の1時間弱はぶどう畑の間を通り、林道をひたすら歩く

コースになっている。

滝不動尊奥宮にたどり着くまで、奥秩父山塊が綺麗に見渡せるスポットなどを通り満足度の高い散歩になった。

滝不動尊は最近新しくされたと思われる立派な建造物の後ろに、壮大に滝が落ちていた。

やっとこトレイルの始まりである。

そこからまもなくして展望の素晴らしい開けた尾根にたどり着いた。

森林限界でもないのに、木がなく開けている事が不思議だったが、

どうやら過去数回の山火事が原因らしい。

その事実を知ると、この素晴らしい景色に少し複雑な気持ちを覚えた。

クマバチの猛攻を受けながら、蕨が育つ登山道を登っていく。

常に富士山を望みながら、あれが前回登った源氏山か?

そうなると、向こうの山がなんだろう?と山座同定を楽しんでいると、

山頂にたどり着いた。

山頂では別のパーティが楽しく食事をしていた。

山梨百名山とは言え、マイナーな山人にすれ違うことがお互いに珍しかったが少しの会話を交わし、山頂で「またどこかの山で」と挨拶を交わしお別れをした。

いよいよ、山頂を独り占めする時間だ。

山頂では寂しいがiPhoneを使用してジャンプ中の自撮りを撮りまくった。

自撮りも満足行き、山頂を後にした。

甲州高尾山は気がついたら山頂を通り越してしまいそうなくらい、あっけない山頂であったが、道中の稜線は低山とは思えないパノラマが楽しめた。

時間が経つごとに気温が上がりそうなので、下山を急いだ。

国道にたどり着いた時はアスファルトから灼熱の照り返しが体力を奪っていった。自動販売機でコーラを買い、ぬるくなる前に飲み干し、

大日影トンネル遊歩道を歩けないことを悔やみつつ、景色に満足いきつつ、無事山行を終了した。

源次郎岳

この時もまだ、登山怠慢期だったが山梨百名山を消化したい思いで

距離の短いコースを選んだ。

天気の悪い1日、落ち葉が広がる登山道をサクサクと進んでいく。

気持ちがついていかなかったためか、短距離コースにも関わらず

最初バテバテになってしまった。

途中だれにもすれ違わないだろうと思い、スマホで音楽を流しながら

歩き始めた。

寂しい登山道が音楽をかけることで少し明るくなった気がした。

途中自然が生み出した奇抜な色をした木に感動し、

思っていたよりスリルのある細い尾根道を下り、登り寂しい山頂に

辿り着いた。

一息休み山梨百名山完登に一歩近づいた喜びだけを噛み締め早々と下山した。

雁ヶ腹摺山、笹子雁ヶ腹摺山

この日は笹子雁ヶ腹摺山と雁ヶ腹摺山の両方を登頂する計画を立てた。

長距離の山行に少し嫌気が差していた頃なので、短距離を二つは非常に

お得感があった。

はじめ、雁ヶ腹摺山を目指す。

林道を使用して登山口駐車場まで標高を稼げるこの山は、手軽さと

山頂の富士の眺望がコアな登山家から人気の山である。

この日も、平日にもかかわらず駐車場は各地から来たであろうナンバーの

車で埋め尽くされていた。

遅めの出発になってしまったがギリギリ車を留めることが出来、

曇りがちな空を見上げダラダラと標高を稼いでいった。

数名の登山者を追い抜きながら、静かな森林を歩いて行く。

この日熊鈴を忘れたため無駄に咳払いをしたり、枝で大木を叩いたりして、

熊が出ないことを願った。

山頂付近になると少し急な登りが増えた。

途中振り返ると今までの登山人生で一番の富士山を拝むことが出来た。

曇りがちで何も見えなかった富士山方向から、富士山を望む窓のように

雲が丸く開けた景色だ。

急いでカメラを取り出しシャッターを切った瞬間、

窓は閉じ富士は隠れてしまった。

その後熊笹の道を通り山頂にたどり着いた時には数名の登山者が富士山

がいつ見えるのか、まだかまだかとカメラを構えていた。

一瞬雲が晴れた瞬間はあったものの、あの富士山よりも綺麗な富士山を望

むことはなかった。

その後曇ってしまったので急いで駆け下りながら、すれ違う登山者に少し

自慢気にギリギリ富士山が見えた事を伝えた。

続いて笹子雁ヶ腹摺山を目指す。

細い林道を対向車が来ないことを祈りながら進んでいく。

登山口駐車場にはハイエースが一台駐車されていた。

途中で登山者とすれ違うのかもしれないという期待を持ちながら、

短いコースを進んでいくが結局人に出会うことがなく山頂についてしま

った。山頂からはさっきまで雲で隠れていた富士山は大きく顔を出し、

秀麗富嶽十二景にも選ばれているだけあって富士の眺望を独り占めする

ことができた。

笹子雁ヶ腹摺山もまた、熊に怯えながら足早に下山した。

小金沢山、大蔵高丸、滝子山

大菩薩峠の目の前、小金沢山から初狩駅までいくつものピークを踏破していく長距離コースに挑んだ。

朝初めてのバスに乗り遅れ予定していた時間より2時間ほど遅れての登山スタートだった。

皆が大菩薩に登るため上日川峠を目指す中1人小屋平のバス停に降り、

今日のロングトレイルに不安を抱えつつ、富士山の眺望を独り占めできることの期待に胸を膨らませながら登山が始まった。

バス停を降り石丸峠に取り付いてすぐこの日最初の登山者とすれ違う。

山梨百名山小金沢山の山頂を踏むことしか考えていなかったが

開けた登山道は最高に気持ちがよかった。

秀麗富嶽十二景の山頂もいくつも踏むことができるこのコースでは、

勿論富士山を延々と眺めながら山行を楽しむことができる。

本日最初の秀麗富嶽十二景、山梨百名山である小金沢山山頂からは

雄大な富士山を眺めることができ、これから訪れる山頂からどんな富士

山が待っているのか、期待が大きく膨れ上がった。

小金沢山を通り過ぎ次に牛奥ノ雁ヶ腹摺山を目指す。

この山行のおかげで雁ヶ腹摺山がガンガハラスリヤマと読むことを知る。

ちなみに、牛奥ノ雁ヶ腹摺山は日本で一番名前が長い山としても有名だ。

その後もシカよけの柵やザレ場などバラエティに富んだ登山道を富士山

を眺めながらひたすらに進んだ。

続いての山梨百名山、大蔵高丸では開けた山頂から富士の裾野までが

広がる大パノラマを堪能することが出来た。

この山行は標高グラフでみるとだいぶ下りが多いルートだったので

体力的には余裕だろうとだいぶペースの早いタイム設定をしていた。

しかし、ハマイバ山を通り過ぎたあたりからバテ始めてきた。

スタートで二時間遅れてしまったため、時間的にも余裕がない中

最期の山梨百名山滝子山を目指す。

刻一刻と夕暮れの時刻に近づいていく。

下りを走り登りも早歩き、やっとの思いで滝子山の山頂にたどり着いた。

山頂は360度の大パノラマ。初狩駅から登ると手軽な山でも今回のルート

からたどり着いた滝子山の達成感は今でも忘れない。

その後、暗くなった登山道を駆け下りようやく民家へと辿り着いた。

そこから電線に視界を遮られた富士を見ながら、これもまた生活感が

あって良い景色だなと思いながら初狩駅にたどり着き山行は終了した。

大菩薩峠

 

上日川峠から、大菩薩峠大菩薩嶺との周回。

大菩薩連嶺一番人気の山。

人気の山だけあって平日登山にも関わらず多くの登山者で賑わっていた。

登山道を流れる小川を抜け、新緑の程よい坂道を登ると

大菩薩峠付近の介山荘にたどり着く。

コーヒーを飲む人、バッチを買う人を横目に大菩薩峠からの稜線をいち早く望むため介山荘を通り過ぎる。

並ぶ地蔵に目もくれず、辿り着いた大菩薩峠山頂からはこれから歩く稜線がずうーっと伸びていた。

ケルンが積まれた登山道を、富士山を望みながら歩く。

これほどの贅沢は無い。

登りで溜まっていた疲れも吹き飛びいつの間にか

大菩薩嶺にたどり着いていた。

大菩薩嶺は静かで、緑に囲まれていて今ままでの絶景の余韻を楽しむ

時間を与えてくれた。

そこからの下りも再び富士山を望みながらの下山。

笹が生い茂る急な坂道をさっそうと駆け下りる爽快感。

そのままぐんぐんと高度を下げ上日川峠に戻ってきた。

短時間でこの満足度を得られる大菩薩嶺

これほど初心者を登山に引き込む山があるだろうか?

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